保険のヒミツ(基礎編)

生命保険?損害保険??わかりづらい保険の仕組みを、簡単に噛み砕いて説明します。

保険の値段を決める3要素を詳しく見る(予定死亡率)

予定死亡率、予定事業費率、予定利率は現実にはどうなっている?

 前頁まででは、保険を単純化して、保険の値段(原価)の決まり方を考えてみました。「なんだ、こんなに簡単なら、自分も保険を主催してみようか」なんて思った方もいらっしゃるかもしれませんね(笑)。でも、本当に、現実の保険も、基本は、3要素(予定死亡率、予定事業費率、予定利率)で決まっているんですよ。ただ、やはり、多少現実の保険には、現実に即した調整というものがあります。それでは、このページでは、保険の値段(原価)を決めた3要素について、現実にはどうなっているのか、という視点で詳しく見ていきましょう。

1.予定死亡率(保険がいくら必要になるか)

 万一のことが起きたときに支払われる保険金。保険加入者にとっては万一のことなのですが、保険会社としては、支払うかもしれない保険金を予測して準備してかねばなりません。保険会社が「どれだけ保険金を準備しておくべきか」という予測、つまり予定死亡率は、統計データに基づいて行われます。生命保険会社が現実に参考にしているのは、『生保標準生命表1996』というものです。この標準生命表、内容はどうなっているか気になりますよね。少し書きますと、30歳の男性が一年以内に死亡する確率は10万人当たり84人。これが60歳の男性では、10万人当たり1022人となります。

「年齢とともに保険が高くなる理由」と現実の保険運営

 上の標準生命表の値を、保険の負担とからめて考えてみます。すると、30歳の男性の保険の掛け金(保険料)は、10万人で84人分を負担します。しかし、60歳では同じ人数で1022入分を負担しなくてはならないことになります。年齢が上がるほど保険料が上がっていく理由は、こういう仕組みだったんですね。しかし、現実の保険料決定は、もう少し複雑です。実際に各生命保険会社が使用している予定死亡率は、標準生命表よりも死亡率が低くなっているのです。標準生命表よりも死亡率を低くしてしまったら、保険金が支払えなくなるのでは?と心配になるのですが、その心配はご無用。なぜなら、それは、各生命保険会社は、健康な人しか保険に入れないからです。言われてみればそうですよね。また、逆に、若干ですが死亡率を少し高めに見積もる『安全割り増し』というものもあります。こちらは、予定死亡率をギリギリに設定してしまうと大地震や伝染病などの予期せぬ大災害が起きたときに、保険会社が保険金を支払うことができなくなってしまうからです。