保険のヒミツ(基礎編)

生命保険?損害保険??わかりづらい保険の仕組みを、簡単に噛み砕いて説明します。

保険の値段を決める3要素を詳しく見る(予定事業率)

2.予定事業費率(どれくらい経費がかかるか)

 保険会社も、事業を続けていくためには、当然、経費(事業費)がかかります。前頁の例では、単純化するために保険料を管理する人の給料だけで考えていました。実際の保険会社では、もっとかかることは理解できると思います。事業費は、大きく3つに分けられます。一つ目は、新しい保険契約を得るための経費。これには、営業の社員への歩合給や広告宣伝費が含まれます。二つ目、保険契約の維持管理の経費。これは、事務職員の人件費やビルの管理費などです。三つ目は、保険料の回収の経費。これは、銀行などの自動引き落とし手数料なども含まれます。

事業費は保険金や保険料に比例して決められることが多い

 保険を運営管理していくためには必ず必要になる事業費なのですが、当然、どんどん使っていては保険会社は潰れてしまいます。では保険会社の事業費はどう決められているのでしょうか?実際の事業費は、保険金(加入者に万一のことがあったときに支払うお金)や、保険料(保険契約のときに支払うお金)に対して、比率で決められていることが多いです。では、実際に存在する保険を例に見てみましょう。このような、保険金や保険料に対する事業費率は、かつては保険業界統一でしたが、最近では競争激化で各保険会社でバラバラになってきています。

ある保険の事業費の例

 30年満期、何かあったときには保険金額100万円が支払われる養老保険。この保険の年間保険料は、2万7450円、予定利率が2.75%です。

◆1.新しい保険契約を得るための経費

 初年度の新契約獲得費用:保険金の2.5%

 100万円×2.5%=2万5000円

 毎年必要となる新契約関係費用:保険料の2%

 2万7450円×2%=549円

◆2.契約の維持・管理にかかる経費:保険金の0.24%

 100万円×0.24%=2400円

◆3.保険料の集金にかかる経費:保険料の3%

 2万7450円×3%=824円

以上、初年度経費は、合計2万8773円 ⇒なんと、初年度は、保険料−経費=マイナス(赤字)です。初年度は、経費が合計28,773円で年間保険料を上回っています(翌年度以降の経費は合計で3773円)。これは保険会社の持ち出し。ですので、保険契約後すぐに解約が発生すると、保険会社は事業費を回収できなくなります。ですので、各保険会社は初年度の保険解約を必死に抑えるために努力しているんですね。