保険の値段を決める3要素を詳しく見る(予定利率)
3.予定利率(どれくらい運用で増やせるか)
生命保険は普通、保険契約期間が10年以上にわたる長期の契約です。単純化して計算した例からでもわかったように、生命保険会社が毎年保険契約者から集める保険料(保険の掛け金)は、全額がその年に支払われる保険金(万一のときに支払われるおカネ)に使われるわけではありません。集めた保険料の一部は翌年以降の支払いに備えて積み立てられます。この積み立てられているお金(責任準備金)は、大手生命保険会社ともなると、なんと数十兆円にもなります。これほどの額になると金庫に入れて寝かしておいてはもったいないですよね。そこで、生命保険会社は株式や債券への投資でこの資金を運用します。その運用利回りの予想が、予定利率と呼ばれるものです。
予定利率が保険に及ぼす影響
例えば、保険会社が保険料で集めた中の10兆円を、年2%の利率で運用するとします。すると利息は2000億円です。保険会社が加入者から受け取った保険料ですので、運用するとしても、そんなにリスクの高い運用をすることは考えられません。ですので、この運用利息は、経済全体の状況から、大体予想できることになります。では、次に運用利息が予想できるとなると、生命保険会社は、「運用で増える利息分を見込んで保険料を安くしたら加入者が増えるのでは?」と考えるようになります。このようにして、予定利率が保険の原価に影響を及ぼすのです。
予定利率が高いとき=保険料が安い
予定利率が高いということは、集めた保険料を運用して得られる利息収入が多い、ということ。利息が多く見込めるということは、保険料をたくさん安くできるということです。つまり、予定利率が高いときの保険はおトクということです。主要国内生命保険の予定利率は、このように推移してきました。1952年からずっと4%だったものが、1976年に5%になり、1985〜93年までのバブル絶頂期には最高で5.5%まで上がりました。この時期の保険は予定利率が高かったため非常に良かったと言えます。しかし、その後、予定利率は、バブル崩壊とともに段階的に引き下げられ、現在はどの生命保険会社も1.65%前後。予定利率は通常、契約時の利率で固定されます。ですので、利率の高い時期に保険に加入した人は、低い時期に加入した人と比べて保険料が安くなります。予定利率の高い契約は解約しないほうがいい、と言われるのはそのためなのです。