保険会社の実際と各保険会社の差
実際の保険会社の保険も基本は同じです
前頁までで保険の価格の決まり方を見てきました。当然ですが、実際の生命保険会社で保険料を決める作業は、もっと複雑になります。同い年の人ばかりではなく、幅広い年齢層の保険契約者がいますし、保険の保険期間も10年を超える長い契約がほとんどで、前提は複雑になります。でも、保険そのものの仕組みは変わりません。実際の保険会社でも、保険料は基本的に、予定死亡率、予定経費率予定利率、の三つの要素から決められています。でも、現実には、各保険会社の状況も違いがありますし、各保険会社が提供する保険も違います。どうして違いが出てくるのでしょうか。
どこで各保険会社に違いが出るのか1:予定死亡率
予定死亡率には、保険業界共通の標準の死亡率というものがあります。しかし、その共通の予定死亡率に、各社がそれぞれ「安全割り増し」を足して設定しています。この安全割り増しは、各保険会社の方針や保険の種類によって差が出ます。例えば、保険契約者への配当(最終的に余った保険金の分配)が付いた保険は、無配当の保険に比べ安全割り増しが大きくなります。しかし、有配当保険は、そのぶん目先の保険料は高くなります。
どこで各保険会社に違いが出るのか2:予定利率
予定利率は、各保険会社間で大きな違いが出ることはあまりありません。現在の日本の保険会社は、バブルの時代に契約した高い予定利率を、現在の低金利の状況で達成できない状態が続いているからです(予定利率は保険契約時の利率で固定されるのです)。実際の保険金の運用が予定利率を下回っているこの状態を『逆ザヤ』と呼びます。日本では、バブル時代に予定利率引上げ競争があり、日本の保険会社は今でもそのときの後遺症が続いているのです。
どこで各保険会社に違いが出るのか3:予定事業費率
三つの要素のなかで、保険会社が最も自分でコントロールしやすいのが予定事業費率です。社内の管理コストですから、コントロールしやすいのは当然ですよね。でも、逆に言うと、この予定事業費の競争力、つまり、予定事業費率を低く抑えることが、各保険会社の保険料の水準を大きく左右することになります。
保険のヒミツ(基礎編)は、ここまでです
どうでしょうか?少しは保険のことがわかるようになりましたでしょうか?保険の基本的な仕組みの説明は、これで終わりですので、保険のヒミツ基礎編は、ここで終了です。現実の保険の内容については、「保険のヒミツ(現実編)」に続きます。お楽しみに。